蓼喰ふ虫

現代の夫婦が演じる、約100年前の夫婦の話。

TOKYO PLAYERS COLLECTION TADE KUU MUSHI

蓼喰ふ虫

現代の夫婦が演じる、約100年前の夫婦の話。

TOKYO PLAYERS COLLECTION TADE KUU MUSHI

2022年9月21日(水)~26日(月) 下北沢 OFF・OFFシアター

原作/谷崎潤一郎「蓼喰ふ虫」 脚色・演出/上野友之(劇団競泳水着) 企画/榊菜津美(アマヤドリ)

あらすじ

要と美佐子という夫婦がいる。

セックスレスが原因となり、妻・美佐子は夫・要公認で、
別の男との逢瀬を重ねる日々。
二人は離婚を念頭に置きつつ、子供のことも考えると
踏み切れず先延ばしにしている。

夫婦から相談を持ちかけられた要の従兄・高夏は、
ぐずぐずと煮え切らない二人に呆れてしまう。
ある日、要は義父とその愛人・お久の淡路行きに同行する。
要はお久に惹かれる自分に気づいているのだが……。

谷崎潤一郎、中期の傑作中編小説を原作とし、
現代の夫婦が演じる、約100年前の夫婦の話。

出演

  • 榊菜津美(アマヤドリ)

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  • 秋本雄基(アナログスイッチ)

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  • 松下仁

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  • 大田彩寧(しあわせ学級崩壊)

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  • 鈴木あかり(第27班)

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  • 上野陽立(Prelude)

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  • ばばゆりな

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  • 田中嘉治郎(リボルブ方式)

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ご挨拶

上野友之(脚色・演出)

榊さんが「今年も何かやりませんか」と声をかけてくれた時、
一昨年と昨年の「IN HER TWENTIES 2020」及び「IN HER THIRTIES 2021」が、
その企画性が突出していたこともあり、
今年は新たに何をやるのか、正直なかなか思いつけなかった。

それで、榊さんと喫茶店でああだこうだと話をする中で、
企画のゼロ段階でよくする質問として、
「いま共演したい俳優は誰?」と問いかけた。
そこでまず返ってきた答えが「アキモトユウキ」。

アキモトユウキ……いきなり気軽に呼び捨てするそれはどなたでしたっけ……と一瞬疑問に思った直後、脳内で「秋本雄基」に変換され、
ああご主人ですね、となった。
(ご主人、という単語の是非はありつつ、ここでは「ゴシュジン」という音があまりにもピッタリと感じたので続けます。)

本物のご夫婦が「夫婦」役を演じる。
そのことへの純粋な興味が湧いた。

俳優と俳優(或いは俳優と演出家)同士の日常での親密さや距離感と、創作や上演との関係については、じっくり考えてみたいとも思っていた。
俳優同士の親密さ、距離感という意味では、本物のご夫婦ほどに近い関係もなかなか無さそうだ。たぶん。
面白そう。

面白そうとして、肝心の物語はどんなのが良いか。
ここで、敬愛する谷崎潤一郎先輩の「蓼喰ふ虫」が思い浮かんだ。
前々から、いつか取り組んでみたいと考えていた小説である。

しかしながらこの作品は、
「セックスレスの結果として妻が公認不倫をすることを選択した夫婦が、
離婚しようと言いながらお互いに決断しきれずにズルズルと過ごす話」
である。

それを本物のご夫婦(しかも結婚してまだ数年)に演じて貰うのはいかがなものか……?
ダメ元で榊さんに提案してみたところ「面白そう」と言う。
いやしかし榊さんはこういう時に基本、超前向きスタイルの人だ。(僕は「ブルドーザープロデューサー」と呼んでいる。)
改めて、秋本雄基さんにも来て頂いて三人で打ち合わせをした。
その場で秋本さんも「内容は問いません」と言う。

……いいんですか?

というわけで進めることになりました。

「蓼喰ふ虫」は、前提となるのが女性を「娼婦型」か「母婦型」かに分類する
(現在から見ると)なかなかにアウトな議論だったりするのだが、
一方で約100年前に書かれたこの小説には思わず「なんかわかる……わかります……わかってしまいます谷崎先輩……!」と唸ってしまう箇所も多い。

本物の夫婦が夫婦を演じる機会を通して、
何年経っても変わらぬ人間の普遍性だったり、
良からぬことに反応してしまう自分のヤバさだったり、
和気藹々とした中に独特の緊張感が流れるかもしれない稽古場だったり、
たくさんの発見や経験が出来ればと考えております。

宜しくお願い致します。

上野友之

上野友之 Ueno Tomoyuki

1982年2月10日生まれ。北海道札幌市出身。脚本家・演出家。劇団競泳水着主宰。2003年、早稲田大学在学中に、劇団競泳水着を旗揚げ。以降、全作品の脚本・演出を担当。また、2017年より映像制作会社にてプロデューサー業務にも従事。現在は脚本家・演出家として劇団の内/外、演劇/映像を問わず活動中。映像的な脚本と繊細な人物描写、俳優個人の魅力をひき出す演出が特徴。特技は一喜一憂と後悔。

榊菜津美(企画・出演)

企画者としての私は、
・お客様に「オモロイ!!️」と思っていただける。
・ある種エゴ的なやりたさがある。
上記の共通部分にある企画を、気づけば目指している気がします。
それは、エゴがあるからこそ作れる「オモロイ!!」があるという実感を、一昨年初めてIN HERシリーズを企画して得たからだと思います。

とはいえ、上野さんに共演したい俳優を聞かれて夫の名前を出したのは、自分でも不意な出来事でした。
夫と共演したいというのは中々自分本位な想いです。
しかしそれを上野さんが面白がってくれて、上野さんの興味と合わさるとどんな作品をつくれるのか、とってもワクワクしました。

夫の秋本のことは折に触れて、私的な関係を置いておいても「えぇ俳優やなぁ…」と感じていました。
そして、私的な関係を大いに利用しつつ創作をする現場は、特殊なものが生まれそうだし、お客様にもなかなか出会わない俳優のやり取りを目撃いただけるのでは、それってとっても「オモロイ!!」のでは、という予感がしています。

大変な情勢下ではありますが、感染症対策も万全を尽くせるよう励みます。
何卒よろしくお願いいたします。

榊菜津美

榊菜津美 Sakaki Natsumi

1990年エクアドル生まれ、北海道釧路育ち。2010年より小劇場を中心に活動している。2013年アマヤドリ入団。劇団外作品にも精力的に出演しており、近年の出演作品には、舞台:LUCKUP produce「明日の朝、いつものように」(2021年7月)、三井不動産CM(2021年1月)などがある。2012年、佐藤佐吉演劇祭・石田リンクス賞俳優賞受賞、2016年、佐藤佐吉賞2016・優秀助演女優賞受賞、等。2021年4月、結婚を発表。夫と愛犬と共に生活している。

TIME TABLE

2022年9月21日(水)~26日(月)

9月21日
-
19:00
9月22日
-
19:00
9月23日
13:00
18:00★ライブ配信有り
9月24日
13:00
18:00
9月25日
-
16:00
9月26日
14:00
-
  • 上演時間(目安):100分予定
  • 新型コロナウィルスの感染状況や公的機関からのアナウンスにより、日時に変更がある場合は、改めて公式HPにてお知らせ致します。

チケット

2022 年 8 月 27 日(土) 20:00発売開始

劇場観劇チケット

全席自由席・前売

一般
4,200
20代割
3,500 円(要証明)
10代割
1,000 円(要証明)

※当日券はそれぞれ+300円となります。

当日精算で
観劇予約する
予約ページ

必ず【新型コロナウイルス感染予防策とお客様へのお願い】をお読みいただき、ご了承の上でご予約ください。

  • 劇場内は、本番中も常に換気をしております。
  • 受付開始、開場は開演の30分前です。
  • 当日券はお席に余裕がある回のみ、開演の30分前から販売いたします。(先着順でのご案内となります)ご予約のお客様で定員となった場合は、当日券の販売はございませんのでご了承ください。
  • 未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
  • 車椅子でご来場のお客様は、入り口付近の座席を確保する為、公演前日までに tokyoplayers@gmail.com までお知らせください。(ビル1階入口にスロープがあり、車椅子で、エレベーターで3階の劇場までお越し頂けます。)
  • 20代割、10代割のチケットをご購入の場合は、当日受付にて年齢確認をさせていただきますので、身分証明証をお持ちください。

生配信
+
アーカイブチケット

配信対象公演:9月23日(金祝)18:00 公演

料金
2,500
視聴チケットを
購入する
観劇三昧

劇場での上演を3台のカメラで生配信でお届けいたします。
公演終了後2週間(10月7日18時まで)は、何度でもアーカイブ視聴可能です。

  • 事前に「観劇三昧」へのユーザー登録が必要です。
  • 10月7日16時まで購入が可能です。

会場

下北沢 OFF・OFFシアター

〒155-0031
東京都世田谷区北沢2-11-8 TAROビル3F
下北沢駅・京王井の頭線「中央口改札」または小田急線「東口改札」より徒歩約3分
TEL:03-3424-3755

スタッフ

脚色・演出 
上野友之(劇団競泳水着)
企画
榊菜津美(アマヤドリ)
舞台監督
森脇洋平
舞台美術
いとうすずらん
照明
齋藤拓人
音響
田中亮大(Paddy Field)
音響操作
櫻井優菜(Paddy Field)
衣装
茂原里華
ヘアメイクデザイン
紅緒(あさぎ屋)
稽古協力
松尾太稀
方言協力
ぎぃ子
宣伝美術
吉田電話
宣伝写真
市川秀明
WEB
阿波屋鮎美(ブラン・ニュー・トーン)
映像撮影
FIP株式会社
写真撮影
下田直樹
制作
野元綾希子(toi project)
制作協力
佐藤奈々
協力(50音順)
アナログスイッチアマヤドリイマジネイションA-PROJECT 株式会社オランウータン株式会社MC企画株式会社ポエプラス 劇団競泳水着合同会社Paddy Fieldしあわせ学級崩壊時代衣裳アトリエ あさぎ屋SHARE TIME studio第27班toi projectFIP株式会社ブラン・ニュー・トーンPreludeリボルブ方式
主催
TOKYO PLAYERS COLLECTION